結晶洞窟

制作の話

なぜ「音のないゲーム」を、AIと作ったのか

プログラミング未経験の制作者が、ほぼAIだけで放置ゲームとiPhoneアプリを作った理由と、やってみて分かったこと。

結晶洞窟は、プログラミングをしたことがない私が、AIに手伝ってもらいながら作ったゲームです。このページでは、なぜこのゲームを作ったのか、AIとどうやって作ったのか、やってみて何が大変だったのかを書きます。設計の細かい話は開発記録にまとめています。

作りたかったのは、3つ

作りはじめる前に考えていたことは、次の3つでした。

  • ユニバーサルデザインのゲームにしたい。耳が聞こえる・聞こえない、目がいい・見えにくい、に関係なく、同じように遊べるもの
  • 老若男女が、かんたんに遊べるものにしたい。説明を読まなくても、触ればなんとなく分かるもの
  • プログラミング未経験のまま、AIをフル活用して作ってみたい。自分ひとりで、どこまで形にできるか試したかった

音を使わないことも、文字を大きくできることも、この3つから自然に決まっていきました。

音がないのは、困っていたからではありません

私には聴覚障害があります。ただ、正直に書くと、これまでゲームで「音が聞こえなくて困った」と強く感じたことは、あまりありません。そこまで気にしていなかった、というのが本当のところです。

それでも自分で作るとなると、話が変わりました。自分には聞こえない効果音を入れて、「たぶんいい感じに鳴っているだろう」と想像しながら作るのは、どうしても落ち着きませんでした。それなら最初から音を使わずに、見るだけで手応えがあるように作るほうが自然だと思いました。

音がないことには、作ってから気づいた良さもあります。電車の中でも、夜中でも、周りを気にせず遊べます。耳が聞こえる人にとっても、聞こえない人にとっても、まったく同じ体験になります。

「誰でも」は、特定の誰かではありませんでした

「老若男女が遊べるゲーム」と言いながら、作っているとき、特定の誰かの顔を思い浮かべていたわけではありません。だからこそ、「このゲームを何も知らない人が、はじめて触っても迷わないか」を基準にしました。

  • 操作はタップだけ。画面の真ん中の結晶を押せば、それで遊べます
  • 急かさない。時間制限も、失敗も、ゲームオーバーもありません。閉じておけば、そのあいだも結晶が貯まります
  • いつでも止められる。一時停止を押せば、本当に何も増えなくなります
  • 読みやすさを自分で選べる。文字の大きさは4段階、配色は5種類から選べます。選び方は文字の大きさと配色の選び方に書きました

AIがなければ、作っていませんでした

これははっきり言えます。AIがなければ、このゲームは作っていませんでした。プログラムを一から勉強して作るのは、私には現実的ではなかったからです。

実際の作り方は、こんな流れでした。

  1. 「こういうゲームにしたい」「ここをこう直したい」と、AIに日本語で伝える
  2. AIがプログラムを書く
  3. 自分のパソコン(Windows)とiPhoneで、実際に動かして確かめる
  4. おかしいところがあれば、画面のスクリーンショットを撮ってAIに見せ、直してもらう

Mac も iPad も持っていません。iPhoneアプリを作るには普通 Mac が必要ですが、インターネット上でアプリを組み立ててくれるサービスを使って、Windows と iPhone だけで App Store に出すところまでたどり着きました。

やってみて一番驚いたのは、ほぼAIだけで、ここまで作れるんだということです。100%ではありません。何を作るか、音を使わないか、どの案にするか、いつ公開するかは、全部自分で決めました。それでも、プログラムを書く部分は、ほとんどAIがやってくれました。

一番大変だったのは、バグの修正

一番大変だったのは、バグ(不具合)の修正です。AIはプログラムを書くのは速いのですが、書いたものが最初から完璧とは限りません。

たとえば、こんなことがありました。

  • 「3000億」と出るはずの数字が「3億」と表示されていた。数字を整える処理が、整数の末尾のゼロまで消していました
  • 演出が急に出なくなった。原因は、プログラムの中の記号が1文字足りないことでした。見た目には何も壊れていないので、気づくまでに時間がかかりました
  • App Store に出したあと、中国のプレイヤーの方から「結晶が42桁になると、数字が何行にもなって下のボタンが押しにくい」とレビューをいただきました。とても大きな数字を短く表示するように直し、次の版で公開しました

大変だった理由は、AIが「直りました」と言っても、本当に直ったかは実際に動かしてみるまで分からないことです。表に出ている症状と、本当の原因が離れていることもあります。だから、直してもらったら必ず自分の端末で確かめる、気になるところは「念のために確認」してもらう、ということを繰り返しました。

やってみて思うこと

AIは、なんでも自動でやってくれる魔法ではありませんでした。けれど、プログラミングを知らなくても、作りたいものをはっきり言葉にして、出来上がったものを自分の目で確かめることができれば、ゲームを形にして、App Store に並べるところまで行けました。

同じように「作ってみたいけれど、プログラミングは分からない」と思っている方の参考になればうれしいです。ゲームはこのサイトのトップページからそのまま遊べます。