制作の話
Mac を持たずに、Windows と iPhone だけでアプリを出すまで
Mac も iPad も持っていない制作者が、Windows パソコンと iPhone だけで結晶洞窟を App Store に出すまでに使ったものと、その流れ。
iPhone のアプリを作るには、ふつう Mac が必要だと言われます。けれど私は、Mac も iPad も持っていません。手元にあるのは Windows のパソコンと iPhone だけです。それでも、結晶洞窟は App Store に並んでいます。
このページでは、Mac を使わずにアプリを出すまでに何を使い、どんな順番で進めたのかを書きます。なぜこのゲームを作ったのかは、作ったきっかけに書きました。
「Mac がないと無理」ではなかった
最初は、iPhone アプリは Mac がなければ作れないものだと思っていました。そこでAIに「Mac を持っていなくても iPhone のアプリは出せますか」と聞いてみました。返ってきた答えは、インターネット上の Mac を借りて、アプリを組み立ててくれるサービスがあるというものでした。
自分の手元に Mac がなくても、組み立てる作業だけをネットの向こうの Mac にやってもらえばいい、ということです。これを知って、iPhone アプリにできると分かりました。
作り始めてから、アプリが完成するまでは4日でした。
使ったもの
| 名前と使いみち | 費用 |
|---|---|
| Windows のパソコンGitHub へのファイルのアップロード、ブラウザでゲームを動かして確かめる | 持っていたもの |
| iPhone完成前のアプリを入れて、実際の動きを確かめる | 持っていたもの |
| AIプログラムを書く、手順を教えてもらう、エラーの意味を聞く | — |
| GitHubゲームとアプリのファイルをインターネット上に置いておく場所 | 無料 |
| Codemagicネット上の Mac を借りて、アプリを組み立てて Apple に送ってもらう | 個人の利用なら毎月500分まで無料 |
| Apple Developer ProgramApp Store にアプリを出すための開発者登録 | 年99米ドル |
Apple Developer Program は、日本の App Store にある Apple Developer アプリから登録すると12,800円と表示されます。費用は2026年10月に調べたものです。変わることがあるので、登録するときにそれぞれの画面で確かめてください。
App Store に出すための情報の入力や審査の申し込みは、Apple の「App Store Connect」というページで行います。これはブラウザで開けるので、Windows のパソコンからそのまま使えました。
全体の流れ
- ゲームを作る。結晶洞窟は、もともとブラウザで遊べるゲームです。AIにプログラムを書いてもらい、Windows のブラウザで遊んで確かめながら作りました
- アプリの「外側」を作る。ゲームをそのまま包んで、iPhone のアプリとして動かすための部分です。ここもAIに書いてもらいました。中身のゲームは、ブラウザ版と同じものです
- ファイルを GitHub に置く。ブラウザからファイルをアップロードするだけです
- Apple の開発者登録をして、準備をする。Apple Developer Program に登録し、App Store Connect にアプリの枠と、Codemagic がアプリを Apple に送るための鍵を作ります
- Codemagic で組み立てる。ボタンを押すと、ネット上の Mac がアプリを組み立て、Apple に送ってくれます
- 自分の iPhone で確かめる。Apple の「TestFlight」というアプリを使うと、公開前のアプリを自分の iPhone に入れて試せます
- App Store Connect で入力して、審査に出す。アプリの説明文、スクリーンショット、プライバシーポリシーのページ、広告で使う情報の申告などを入力して、審査を申し込みます
- 審査に通ったら公開。
直したいところが出てきたら、ファイルを直して GitHub に置き直し、もう一度 Codemagic で組み立てます。ゲームの中身はブラウザ版とアプリ版で同じファイルなので、ゲームを直すときは、同じファイルをサイトとアプリの両方に置けばよく、アプリ側のプログラムを直す必要はありません。アプリ版は、組み立て直して審査に通ったあとに反映されます。
Mac がないぶん、工夫したところ
- Xcode を自分では使わない。Mac でアプリを作るときに使う「Xcode」というソフトは、Windows では動きません。そこで、アプリの設計図を短い文字のファイルにしておき、組み立てるたびに、ネット上の Mac がその設計図からプロジェクトを作るようにしました
- 動きの確認は実機で。Mac があれば、シミュレーター(画面の中で動く iPhone)で試せますが、それができません。そのかわり、TestFlight で自分の iPhone に入れて確かめました
- 組み立ての回数に気をつける。Codemagic の無料の時間には、毎月の上限があります。直すところは一度にまとめてから組み立てると、無料の時間を節約できます
手続きでつまずかなかったのは、AIに聞きながら進めたから
振り返ってみると、手続きでつまずいたところは特にありませんでした。開発者登録も、Codemagic の設定も、App Store Connect の入力も、わからないところはその場でAIに聞きながら進めたので、止まらずにスムーズに進められました。
もしAIがなければ、どこかでつまずいたまま、先に進めなかったと思います。
審査のこと
結晶洞窟は、これまでの審査で一度もリジェクト(審査で落とされること)されたことがありません。最初の公開のあとも、17言語への対応(1.1)と、大きな数字の表示の改善(1.2)で新しい版を出しましたが、どちらもそのまま通りました。
公開されたとき
審査に通って App Store に並んだときは、ほっとしました。
Mac がなくてもアプリを作りたい人へ
私のようにプログラミングをしたことがなくても、AIを活用すればアプリは作れます。Mac がなくても、Windows のパソコンと iPhone があれば、App Store に出すところまで行けました。頑張れば作れます。
結晶洞窟は、このサイトのトップページからブラウザでそのまま遊べます。